先週末ある学会に参加してきました。
1日目は、学会から表彰された、大賞受賞企業の皆さまからの報告会が開催されました。1社あたり10分ちょっという大変短い時間でありましたが、各社とも自社の取り組みについて情熱的な報告を頂きました。
その際に、皆さんがおっしゃられていたのは、「まだまだ我が社は途上。もっともっと勉強しなければならないと痛感しました。」「他社様の報告を拝聴して、とても勉強になりました。自社でも早速取り組ませて頂きたいと思います。」という言葉の数々でした。
その経営者の発言の姿は、「謙遜」ではなく、まさに「謙虚」そのものでした。
自分がそのように感じたのはなぜか?と思い、改めて謙遜及び謙虚について学び直してみました。
新明解国語辞典によれば、「謙遜」とは、自分を低い者として、相手に対して控えめな態度をとること、であり、「謙虚」とは、自分の能力や置かれている立場をありのままに受け入れ、相手の意見を認めてすなおに取り入れたり、相手を押さえるような自己主張を控えたりする様子であると書かれています。
謙遜は、謙遜する、という動詞にもなることから、まさに控えめな態度をとるというようにある意味「やり方」ともいえ、一方で「謙虚」とは「様子」と書かれているように「在り方」と言えます。
この新明解国語辞典はよく考えられていることがあり、学びが多いです。
謙虚とは、まず自分自身をありのままに受け入れることだと言います。尊大にもならず、卑下もせず、ありのままを受け入れることが必要だと書かれています。
次に、人に対して「すなお」であること、そして相手を「押さえつけない」ことだと言います。
松下幸之助さんも同じようなことをおっしゃっています。
「まず自己観照を心がけ、自分自身を客観的に観察し、正すべきは正していくこと」
このように、自分自身をありのままに受け入れることこそが大切であるということだと思います。
その上で、「よく人の意見を聞く、これは経営者の第一条件です。私は学問のある他人が全部、私より良く見え、どんな話でも素直に耳を傾け、自分自身に吸収しようと努めました。」というように素直に相手と向き合うことをしてきたということだと思います。
この姿勢を実践できるようになるためには、かなりの修業が必要だと思います。それを経営者が実践してきているからこそ、いい会社になっているのだと改めて思います。
自分はまだまだ道半ば、果たしていつ、その境地にたどり着けるのでしょうか?
(担当 山田勝彦)